みなさんこんにちは、EMとSREの両立を何とか頑張っている杉山です。最近は Terraform も manifest もレビューしてばかりなので、そろそろ自分も書きたい今日この頃・・・です🥺
さて、去る6月14日(土)、札幌で開催された CloudNative Days Summer 2024 に現地参加してきましたので、今回はその中でも特に印象に残ったセッションについて、感想など書いていきたいと思います!(あくまでも個人の感想です。
CloudNative Days とは?
公式より以下に引用いたします。
CloudNative Days はコミュニティ、企業、技術者が一堂に会し、クラウドネイティブムーブメントを牽引することを目的としたテックカンファレンスです。 最新の活用事例や先進的なアーキテクチャを学べるのはもちろん、ナレッジの共有やディスカッションの場を通じて登壇者と参加者、参加者同士の繋がりを深め、初心者から熟練者までが共に成長できる機会を提供します。 皆様がクラウドネイティブ技術を適切に選択し、活用し、次のステップに進む手助けになることを願っています。 クラウドネイティブで、未来を共に創造しましょう。
とにかく最新の活用事例・先進事例が多く、参考になるセッションが多い!!!と感じるイベントです。そして今回は CFP の倍率もとんでもないことになっていましたし、どのセッションも聞いてみたいものばかりでした。私もプレイベントに登壇させていただきましたが、本当に幸運でした・・・改めてありがとうございます。
参加したセッション感想など
ここからは、参加したり録画を見たりして、気になったセッションのご紹介を!
クラウドネイティブな省エネサービスの内製開発で、BizDevOpsを実現する
北海道ガスさんの内製開発に関する取り組みです!当チームも参考にしております!しかし当チームと違ってすごいのは、みなさん非エンジニアから始まり、実際のプロダクト開発とリリースまで辿り着いていることだと思います。こういう取り組みは、多くの企業ではトップダウンで行われることが多いのではないでしょうか。しかし北海道ガスさんは、社内の有志メンバーで勉強会・サークル(サークルってのが良いですね!)を立ち上げて、しかも IoT を活用したプロダクトをリリースしている・・・という離れ業を成し遂げており、もう本当に脱帽です。
ただ、非エンジニアでエネルギー事業のドメインを持った方々だからこそ、お客さま課題に対してのアプローチができたり、さらにクラウドやコンテナを活用することで、BizDevOps を実現していけたのだな〜と感じました。また、コミュニティ活動が非常に盛んなので、ここは当チームもぜひ見習いたいところです・・・!とにかくバイタリティ溢れるセッションでした!
リードタイム、コストを最適化しながら回復性を求めるクラウドネイティブ戦略
酪農 IoT に取り組まれるエゾウィンさんの取り組みです!日本の農業を次世代に繋げる、という大きなミッションがとても素敵です。冒頭の「Reposaku は5年で解約ゼロです」という言葉が今でも印象に残っています。これは言葉にするのは簡単ですが、ユーザーニーズを汲みながら運用し続けているという、確かな実績と大変な苦労があったのだと思います。また、これまでの酪農における作業の課題を解決するために生まれたプロダクトということで、当たり前のことかもしれませんが、当チームもしっかりお客さまの不を解消するために頑張らないとな、と改めて感じました。
技術的なところでは、AWS の API-GW 統合タイムアウトは過去に私も苦しんだので、「これ、あるよね・・・」と共感したり、気温など北海道特有の試される大地が故、デバイス側にストレージを持つ構成にしていたりなど、地理的な課題も工夫を凝らして解決しているところがすごいなと思うとともに、個人的には Amazon Timestream を使っているところがめちゃくちゃ気になっています・・・!私自身、時系列 DB は扱ったことがないため、いつか触れてみたいです。
次世代のクラウドネイティブ基盤、Wasmの今と未来
2023年度未踏IT人材発掘・育成事業で活動されている学生お二人のセッションでした!若い力が躍進されていてすごい・・・
コンテナの次は Wasm!と言われる理由について、ポータビリティやサンドボックス上で実行されるセキュリティ面、バイナリサイズが小さい軽量さなど、Wasm の売りだったり、開発者体験にまで踏み込んでお話されているのが新鮮で純粋に楽しかったです!ただ、私も手元でめちゃくちゃメモを取っていましたが、まだ完全には飲み込めておらず・・・個人的に興味があるので、深掘りしたいところです。またセッションでも触れていましたが、どう共有するかの仕組みが成熟していない点は、実際の開発では結構クリティカルだなと感じました。このあたりのエコシステムが整ってきたら、本当にコンテナの次は Wasm!になるかもしれないですね。そして学生の方がここまで深掘りしているのを見て、自分もいろんな領域で、技術に dive deep しなければ!と熱くなりました!
ちなみに一番の収穫は WASM ではなく Wasm と略すという事実を知ったことです(ぇ
OpenFeature と自動生成を活用した、フューチャフラグの宣言的集約管理
当チーム内でも最近話題になっているフィーチャーフラグについて、サイバーエージェントさんの取り組み紹介です!
冒頭でフィーチャーフラグの種類について紹介していますが、ここを適切に理解することが一番重要かつハードルが高そうです。特に当チームですと、他サービスに起因してフラグを削除できず、Release Toggles の推奨をいきなり守れなくなったりしそうで・・・泣 また、SaaS がこれだけあるのも知らなかったのですが、ベンダーロックインの課題感はあると思っていたので、OpenFeature を知ることが出来たのは有意義でした!なるほど、こんなものが・・・イベント参加してこそ得られるものですね。そしてリアルな課題感からの自動生成!フラグ削除も CI で落として検知してたり・・・学びが多すぎました。環境面についての課題感も、これは当チームで取り組んだら出てくるんだろうな〜ってリアル感満載で本当に濃いセッションでした。
また、登壇者の岩見さんと、セッション後にお話できたのはうれしかったです!そこではさらにリアルな課題感も聞けましたし、当然かもしれませんが、みなさん日々の課題に向き合ってエンジニアリングで解決しているのだな、と痛感しました。私も日々挫けず、またモチベーション高く頑張っていきたいと思った次第です(増え続ける開発環境を見ながら)
テレメトリーシグナルの相関、してますか?第一原理からのデバッグを支える計装
Google の山口さんのセッションです!推測だらけのデバッグで、飛び飛びに事象1と事象3を追いかけるような推測だらけのデバッグはやめよう!という耳が痛いセッションでした。耳が痛い(二回目)また、ログやメトリクス、トレースをバラバラにしたときにサイロ化する弊害など、相関性をもたせる重要性についても。myTOKYOGAS もリクエストに相関IDをもたせてフロントエンド・バックエンドでログを検索できるようにはしていますが、シグナルごとの相関性も考えていかなくてはならないなあ、と改めて感じました。まさにセッションで話していたとおり、私を含めた初期からいるメンバーは、なんとなく「こういう順序で追いかけていってアラートの原因を特定できる」って感覚を持っているのですが、あとからジョインしたメンバーにそれを引き継げているかというと・・・やっぱり耳が痛かったです(三回目)しかしここはチームで愚直にやっていきたいなと思います。特にアプリもSREも含め、まだ小規模なチームのうちに一体感をもってやっていきたいですね!
マイクロサービス基盤にフルマネージドサービスではなくKubernetesを選択する理由
ウォンテッドリーさんのマイクロサービスを Kubernetes で運用してきた2016年からの歴史を語るセッションでした!まさにこれからやっていき!な当チームにとっては参考になるセッションです。2016年当時は選択肢が少ない状況だったが、今はどうなのか?ウォンテッドリーさんは2024年現在でも「マイクロサービス開発の基盤に Kubernetes の拡張性が必要」と考えているとのことですが、これは私たちも同じように考えたので、共感できるものでした。ただ、Kubernetes を採用した際に必ず言われる「運用負荷」について、改めて細かく紹介してくれたのは、これまた知見の塊でした・・・!やはり内製ツールは必要に応じて作っていかないとな、というのと、 Cluster add-ons の管理からは逃れられないというメッセージは、当チームも胸に刻んで行こうと思います。がんばろう・・・!アップグレード作業だけでなく、取り組み自体をマニュアル化するというのも、取り入れてみたいなーと感じました!
やっぱり現地参加は熱い!
ここまで、気になったセッションを紹介してきました!コロナ禍以降、私自身、イベントの参加はオンラインが主流になっていました。現地参加の熱が戻ってからも、「仕事があるかも」というのを理由にオンライン参加にしてしまい、結果として見られないことが多々…まずは現地参加することで、この枷を外すことが出来たのが一番です。
そして、登壇者の方はもちろん、参加されている多くの方とお話できたことが本当にありがたかったです!みなさん、本当にエンジニアとして楽しんでいる様子が伝わってきて、自分自身の新たなモチベーションにもなりました!改めて、この場を借りてお礼をさせてください!
余談
札幌での開催!ということで、セッション以外にも色々楽しんできました🍦具体的には、とにかく甘いものを食べまくりました笑
myTOKYOGAS リニューアル後も、中々羽根を伸ばす機会がなかったのですが、今回は遠方の地での開催ということで、イベント以外の時間に息抜きも出来て良かったです。本当に理解ある上司や仲間に囲まれて、ありがたい限りです…🙇♂
おわりに
次回の CloudNative Days Winter は東京での開催!ということで、次回も現地参加出来たらなーと思います!そして CFP も出したい…!今回は東京でのプレイベントに登壇させていただいたので、そこからの進歩とかお話できたら良いな〜。
それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました!!
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