こんにちは、ソフトウェアエンジニアリングチームでチームリーダー兼テックリードをしております中島です。
4/16(火), 4/17(水)で開催されたDevOpsDays Tokyo 2024に登壇しましたので、今回はそのレポートです! DevOpsDays Tokyo 2024にはチームメンバーの相川も参加しておりレポート記事を書いていますので、ぜひそちらもご覧ください!
登壇のきっかけ
東京ガスでは他部においてもアジャイル開発や内製化に取り組んでいるチームがあります。そのチームにDevOpsDaysの運営を手伝っている方がおり、 その方からDevOpsDaysが近々開催されるので、「myTOKYOGASの内製化の事例でプロポーザルを出してみたら面白いのではないでしょうか?」というお誘いをいただいたことがきっかけでした。 我々のチームとしてもmyTOKYOGASの開発など内製開発チームの取り組みを発信していきたいと考えており、DevOpsは内製化を実現するために力を入れたポイントでもあったので、ぜひ機会があればということでプロポーザルを提出し、ありがたいことに登壇の機会をいただくことができました。
登壇内容
今回は「エンジニアゼロからのDevOps ~ エンジニア文化のない大企業での内製開発成功への軌跡 ~」というテーマで登壇しました。 私自身のキャリアの中で内製化にはいくつかの会社で取り組ませていただき、技術的な取り組みの必要性はもちろんのこと、そこに加えて文化や組織という観点での取り組みが非常に重要であると感じていました。 技術的な取り組みはイベント内でも素晴らしい登壇がありますし、我々独自の知見として伝えられるのは内製化における文化や組織面の話であろうと考え、文化や組織面での話を中心にお話ししました。
エンジニアゼロからのDevOps ~ エンジニア文化のない大企業での内製開発成功への軌跡 ~
登壇でお伝えしたこと
昨今、日本の大きな企業でも内製化に取り組んでいる会社が多くなってきたと感じています。 私自身も複数の企業で内製化に取り組んできましたが、どのような体制や文化で開発を進めていくのか?という組織面での取り組みが非常に重要でした。 デジタル化の時代においてエンジニアの活躍が重要なのはいうまでもありませんが、それと同じくらい「ビジネスメンバーの協力や理解が得られたこと」や「文化の醸成」がmyTOKYOGASの内製化の成功の要因となっています。 その中でも特に以下の3点をmyTOKYOGASの内製開発では重視して取り組んでおり、その点について具体的な取り組みなどを中心にお伝えしました。
- 当事者意識と熱量の重要性
東京ガスはエンジニアを中心とした会社ではありません。そのため、エンジニアが開発に必要なツールが全社的に導入されているわけではありませんでした。 一方で、カンファレンスのメインテーマでもあるDevOpsを実現するには、CI/CDを構築するための環境やツールなどが必要です。しかし、大きな会社で全社導入されていないツールなどを導入することは容易ではありません。 そして、アジャイル開発やDevOpsといった取り組みは、今までの外注中心のシステム開発の時とは異なる文化や考え方が必要になります。内製化においては、これらの壁にぶつかることも多いのではないかと思います。 我々がそれらの壁を乗り越えることができたのは、myTOKYOGASのチームにある「当事者意識」と「熱量」が環境や文化を変えていったことが大きな要因でした。
- エンジニアとビジネスメンバーの一体化
内製化を進める上において注意しないといけないのは、内部にエンジニアがいてもビジネスとの距離が遠く、社内での受発注関係になってしまうことです。 内製化のメリットは、ビジネスとエンジニアが一体化した体制が作りやすいことだと考えています。 そういった体制が作れることで、エンジニアからビジネス視点を持ったプロダクトに対する意見が出たり、ビジネスメンバーとのコミュニケーションコストを下げ、迅速で柔軟な開発が可能になります。 そのため、myTOKYOGASの内製化ではエンジニアとビジネスメンバーが一体となれるように開発を進めていきました。 その結果、ビジネスメンバーの理解とさまざまな協力が得られたことが非常に大きな成功要因となりました。
- 価値に基づいて行動する文化
事業会社の内製開発は「システムを作ること」が目的ではなく、「自ら書いたコードや設計したシステムがプロダクトに反映され、その機能がどう事業貢献できるのか?」、 そして「プロダクトを通して世の中をどう変えていけるのか?」というプロダクトが生み出す価値に着目して開発できることが面白さでもあり、メリットであると考えています。 myTOKYOGASのフロントエンドチームでは、品質を維持しながら柔軟な開発を実現するため、かなりの量のテストコードを実装しています。 一方で、DevOpsという考え方は、長く東京ガスで働くメンバーにとって聞きなれないものであり、テストコードの実装やCI/CDの構築は機能開発とは別に開発工数を増やすものでした。 しかし、myTOKYOGASの内製化においては価値に基づいて行動することができたからこそ、「ビジネスに追随できる柔軟な開発体制を構築すること」という中長期的な観点で価値を生み出すための目的に向かって、 ビジネスメンバーの理解を得た上で、テストコードの実装やCI/CDの構築のプライオリティを上げDevOpsの実現につなげることができました。
これらの3つの観点は、エンジニア文化のない会社で理解を得ながらDevOps、そして内製化を進めていく上で非常に重要な要素であったと考えており、同じような取り組みをされている方々の参考になればという想いで登壇しました。
Networking Party
登壇後のNetworking Partyでは、他社で内製化の取り組みを実施されている方々や、内製化に取り組みたいが内製化に踏み切れていない方々など様々な参加者の方々とディスカッションすることができました。 DevOpsDaysはみなさまの登壇の内容も素晴らしく価値のあるものばかりでしたが、このNetworking Partyも登壇ではお伺いすることができなかったより深い話ができたため、登壇と同じくらい貴重な時間となりました。 様々な方々と情報交換できたことは非常に学びのある時間でしたし、何より私自身のモチベーション向上にもつながりました。
最後に
今回はご縁あり、DevOpsDays Tokyo 2024に登壇の機会をいただくことができました。 登壇機会をくださったDevOpsDaysの関係者のみなさま、ありがとうございました! 内製化に取り組まれている方々、内製化に取り組もうとされている方々の参考に少しでもなれば幸いです。 そして、エンジニアのみなさまに「事業会社でエンジニアをやるのも楽しいよ!」ということが伝われば嬉しいなーと思っております!
DevOpsDaysは登壇者としても参加者としても学びのある素晴らしいカンファレンスでした。 我々内製開発チームの取り組みは、これからも続いていきます! 来年もまたプロポーザルを提出して登壇機会を得られるよう、DevOpsDaysで得た学びも活かして今年度も頑張っていきたいと思います!
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最後までお読みいただきありがとうございました!!